梨雲 2010年2月号 no.107 1/2

       中山逍雀自選集(抄)

  中山逍雀 1939年生于日本國千葉県市川市的一個農民家庭。18歳高中卒業後赴東京進廣做工,有意識地不断変換工作,廣泛接触社会,交際各階層各類人士。之后開始個体経営,従事過商業、電気業、不動産業和畜牧業等。1992年,将?雑的事業範囲収縮,只留下電気案装業。并受日本國厚生大臣委託,開始従事義務性社会福祉活動。1987年創?“漢詩詞同好会葛飾吟社”併任主宰,開展以漢詩詞爲橋梁與中國的文化交流活動。曾數次随団訪問。創造了一種中日詩人都能創作的新短詩,關于詩歌方面的著作頗多。

      楹聯 珈琲館

  露芽香,情侶偸閑相擁坐;雲樹念,恋心携手共飛翔。

      婚聯二副 (横批)山盟海誓

  并肩携手長相助;挙案深情永共歓
  情深自到千年福;愛永終成百歳歓

      漢俳四首

  窗前燕子飛,竹樹薫風疎雨後。尺翰涙沾衣。
  薄暮阻吟行。淡月掛枝花尚明。映水忘歸程。
  拭汗老農勤。晩餐囲坐思孫酒,掌合祷神聞。
  葉背昆虫卵。月華星影只睡眠,母祷天行健。

      短詩四首

  焼落葉。直上昇烟,冬胡蝶。
  恫紅唇。盗用公款,魁偉人。
  一吟双涙,分袂成章。恋恋含羞,夜夜長。
  窗前梅,二月寒香,鶯作賓。共成知友,詩寫情眞。

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      緑陰試筆

  午枕薫風里,飄紅半是塵。紫門無客訪,何處鳥聲頻。
  活計安吾分,時能詩友親。吟詩猶懶出,執筆餞徂春。
  日日黄黍夢,窗前緑已新。

  午枕薫風の里,飄紅半ば是れ塵。
  紫門に客の訪う無く,何の處か鳥聲頻なり。
  活計吾分に安んじ,時に能く詩友親しむ。
  詩を吟じ猶お出ずるに懶く,筆を執りて徂く春に餞す。
  日日黄黍の夢,窗前の緑は已に新なり。

      探梅詩

  溪梅一樹竹成鄰,郁郁飃香獨占春。
  氷雪融時蘇痩骨,暖暄彌日啓紅唇。
  此臨碧水清標格,也對黄鶯好主賓。
  已在香君懇催促,素装依約見精神。
    此詩頷聯:“氷雪融時蘇痩骨,暖暄彌日啓紅唇”,已由書法家寫好刻挂
         于漁村花園。

  溪梅の一樹 竹は鄰を成し,郁郁たる飃香獨り春を占。
  氷雪融る時 痩骨蘇え,暖暄彌日 紅唇を啓く。
  此れ碧水に臨み清標格,也た黄鶯に對して好主賓。
  已に香君在りて催促?し,素装依約して精神を見る。

      望海潮・冬日閑居

  踏青兒女,看花酔客,丹情総是童心。街巷賈商,寒厨活計,浮生半是塵心。離別亦傷心。慮母父遺訓,親友遺吟。逸楽悲嗟,少年人事再難尋?  頽頭不挿凰簪。有未衰血性,應低千金。辞職學文,偸閑案句,明窓豈有煩襟。寄翰結交深。憶友君執筆,喜夢知音。忽得垂髫胸臆,懐繞去来今。

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  踏青の兒女,看花の酔客,丹情総て是れ童心。街巷の賈商,寒厨の活計,浮生は半ば是れ塵心。離別は亦傷心。母父の遺訓を慮り,親友の遺吟。逸楽悲嗟,少年の人事再び尋ね難し?  頽頭は凰簪を挿せず。未だ血性の衰えざる有り,應に千金に低る。職を辞し文を學び,閑を偸みて句を案んず,明窓豈に煩襟有らんや。翰を寄せ交を結こと深し。友を憶いて君は筆を執り,喜夢音を知る。忽ち得たり垂髫の胸臆,懐は繞る去来今。

    鶯啼序 許久回故郷

  初秋故郷古驛,狗眠村静静。新築屋、嫂嫂和孫,歳月長短如磬。江山麗、風廻葉落,時時鳥語依然盛。念故園,野叟素情,田地豊景。  遽念青春,已忘其姓,繞梵宮石磴。遡幽冥、将見君名,香與花墓前浄。一縷烟、吾疑急逝,共弾唱、絃絶心疼。我與君,託情琴書,訴思花影。  麗容繊指,屈強垢面,青春互憧憬。無告我、君去君逝,無奈傷心,只有傷心,惑蝴蝶夢。多年煩事,寒厨活計,怱忙幾歳安吾分,未成功、執筆秋風到。半宵燈火,聊違俗送流年,閒作句模雅興。  麗容繊指,野叟繁霜,証歳移人更。我心里、何故居住,何故隠藏,私慕何由,私酌忽醒。我知君面,君不知我,繁霜枕涙還枕涙,恥吾迷、月照孤燈暝。勿嗤老叟郷愁,悶悶一吟,半觴酩酊。

  初秋の故郷古驛,狗は眠り村は静静なり。新築の屋、嫂嫂と孫,歳月の長短は磬の如し。江山は麗に、風は廻り葉は落つ,時時鳥語は依然として盛んなり。故園に,野叟の素情,田地豊景を念う。  遽に青春を念い,已に其の姓を忘る,梵宮の石磴を繞り。幽冥を遡る、将に君が名を見たり,香と花、墓前に浄し。一縷の烟、吾は急逝を疑う,共に弾唱し、絃絶えて心は疼く。我と君,情を琴書に託し,思を花影に訴う。  麗容の繊指,屈強の垢面,青春互に憧憬。我に告ぐる無く、君は去り君は逝かん,傷心を奈する無く,只だ傷心有り,蝴蝶の夢に惑う。多年の煩事,寒厨の活計,怱忙幾歳吾分に安んじ,未だ功を成さず、筆を執れば秋風は到る。半宵の燈火,聊か俗に違い流年を送る,閒に句を作り雅興を模す。  麗容の繊指,野叟の繁霜,歳は移り人は更る証なり。我が心の里、何故に居住,何故に隠藏,ひそかにに慕いて何に由らん,ひそかに酌めば忽ち醒む。我は君が面を知り,君は我を知らず,繁霜枕涙還た枕涙,吾が迷いを恥ず、月は孤燈を照して暝し。嗤う勿かれ老叟の郷愁,悶悶一吟,半觴酩酊。

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      鶯啼序 許久回故郷之二彼岸某日

  初春草堂禿筆,欲説詩客意。人解否、年少心傷,垢面私泣投地。黄梁夢、紅飛紫散,薫風換景天将麗。憾鬼神、尺素追懐,弊衣逃避。  半裂舊箋,一夜枕涙,恋野童鄙俚。遡年月、迷入平原,風爽相跨鐵騎。耀明珠、軽羅信歩,笑花貌、歓情安息。砕幻壺,漸次貌消,寂然星歴。  故郷父母,陋巷家族,誰知我心秘。茶換酒、遺棄羞耻,不數年齢,欲寫吾思,寄書可否?青春意気,明眸麗質,江湖多歳相思語,趁幽期、閉眼寫佳麗。近旁古刹,僧若会去黄泉,吾心欲托双鯉。  焚香始祖,更加一香,勿忘彼岸季。弄詞句、寫天地誼,識陰陽情,君成嫩葩,我爲堅蔕。香烟熄燼,星眸磨燼,窗前緑影如夢裏,怕吾心、座右存芳醴。勿嗤老叟郷愁,悶悶一吟,半觴沈溺。

  初春草堂の禿筆,詩客の意を説かんと欲す。人解するや否や、年少の心傷,垢面ひそかに泣きて地に投ず。黄梁の夢、紅飛び紫散ず,薫風は景を換え天は将に麗かなり。鬼神に憾き、尺素追懐す,弊衣逃避す。  半裂の舊箋,一夜の枕涙,野童鄙俚に恋す。年月を遡り、迷いて平原に入る,風は爽に鐵騎に相い跨ぐ。明珠は耀き、軽羅は歩に信せ,花貌は笑う、歓情安息。幻壺は砕け,漸次貌は消ゆ,寂然星歴たり。  故郷の父母,陋巷の家族,誰か我が心の秘を知らんや。茶を酒に換え、羞耻を遺棄す,年齢を數えず,吾が思を寫さんと欲す,書を寄せる可否?青春の意気,明眸の麗質,江湖多歳相い思うの語,幽期を趁り、眼を閉じ佳麗を寫さん。近旁の古刹,僧若し黄泉に行けるなら,吾が心を双鯉に托さんと欲す。  始祖に香を焚き,更に一香を加えん,忘れる勿れ彼岸の季。詞句を弄し、天地の誼を寫さん,陰陽の情を識り,君は嫩葩と成りて,我は堅蔕と爲らん。香烟は熄燼,星眸は磨燼,窗前の緑影は夢裏の如し,吾が心を怕る、座右に芳醴存す。嗤う勿れ老叟の郷愁,悶悶一吟,半觴沈溺。

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          迎 春


      楹聨 賀新年          神奈川県 萩原艸禾

  春光燦燦風雲収;淑気盈盈旭日新。

  爽旦先慶風駘蕩;消宵相喜月玲瓏。

  千歳連枝琴瑟和;三朝比翼健康弥。


      新春偶感            神奈川県 高橋子沖

  新春改暦酒杯中,旭日曈曈万象雄。幾転星霜懐白首,平和世界意無窮。 

          二

  玉暦庚寅百転鶯,門松万戸一天晴。阿蒙無恙無人訪,老境悠然一曲笙。 

          三

  泰平天下鶏声度,破蕾茶花競草庵。八十余齢風雅道,逍遥求句夕陽寒。

      元旦感懐            神奈川県 高橋子沖

  昨夕看月蝕,元旦浴春光。花影路辺湿,鳥声渓谷盈。
  朋友多泉境,小我独凡常。日暖期百歳,風和綴詩章。 

          二

  乾坤空逝水,万戸草烟中。降雪家郷信,余寒茅舎充。
  林間鶯語滑,園裏茶花紅。旧暦思上下,新年望恵風。 


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      初入新歳有感          千葉県 陳 興

  未覚人間入新歳,我心猶是去年心。春風其實催人老,何故朝朝相思深?


      醉賀新年            東京都 石倉鮟鱇

  醉賀新年午夢酣,詩魔作虎臥龍潭。鬼謀善借龍纏繞,虎口拔牙醒草庵。

      寅歳年頭所感          東京都 石倉鮟鱇

  散樗延壽醒清晨,先飲屠蘇暫賀春。曙色燒雲天厭舊,詩翁磨墨筆憐新:
  寰球經濟猶牛歩,陋巷公民如虎蹲。韵事何能救當世,老殘無力妄游魂。

      庚寅歳朝口占          東京都 石倉鮟鱇

  歳除醉夢醒寅時,白首將呵筆一枝。發願新風吹世界,廓清舊弊隱瑕疵。
  千門酒虎千鍾酒,萬戸詩龍萬首詩。如此天能養人士,振興諸藝嗜情絲。

      賀新年 轆轤體五首       東京都 石倉鮟鱇

  詩魔陪酒坐茅庵,愚叟揮毫畫旨甘。先賀新年擅金盞,共排旧弊入清談。
  寰球經濟低迷久,環境問題昏昧覃。老骨雖賢已無力,祈求時運遶龍潭。

  老骨多情輕世路,詩魔陪酒坐茅庵。傾杯閑話愚生醉,信口高歌壽宴酣。
  子夜鐘聲生虎口,寅時蝶夢遶龍潭。遊魂振羽逃千里,共賀新年嘗旨甘。

  寅時醉夢遶龍潭,虎口餘生醒斗南。愚叟揮毫畫盤盞,詩魔陪酒坐茅庵。
  風流厭舊擅空想,韻事憐新多戲談。乘興彈琴競高唱,詞華萬首口邊甘。

  新旭燒雲天厭舊,大鵬張翼我圖南。嘘呵凍硯磨香墨,夢想飛仙攜旨甘。
  騷客搖唇擅章句,詩魔陪酒坐茅庵。共乘吟興無聲病,恰似黄鶯啼碧嵐。

  財神牛歩遶龍潭,経済蕭條愁廣覃。難賀新年硯池凍,苦吟拙句菲才慙。
  守株待兎妄空想,枕臂游魂擅暢談。老骨披襟對花貌,詩魔陪酒坐茅庵。
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          閑雅逸俗


詩詞

      “花瓣餅”           千葉県 高橋香雪 

  欣欣麗火靜煎茶,食餅三元野老家。包裏甜醤殊美味,柔和如雪似梅花。


      鶯啼序             千葉県 今田莵庵

  今年我齢八十,毎春過同軌。新春展,双幅描光,友賞来酒肴旨。開桜期,更向大画,辛酸揮筆常追綺。窃時遊京洛,休身愁心如此。
  翠葉秦秦,乾坤到夏,挙頭隠居子。鞭老骨,労作挑堂,遠来嘉客探美。友相呼,老男熟女,幾年経,含芳羞比。芸不論,唯楽懐古,画人容是。
  孟秋冷気,欲癒夏疲,月明萬草靡。想昔日,曾栖南国,常夏無秋,午暑宵残,待涼遭否。仲秋帰国,山村小旅,船渡湖上尋紅葉,瀑布音,靜夜入簾裏。温泉湧野,開窓屋外虫声,喞喞喞喞充耳。
  飛飛白雪,寂寂寒風,日没山帯紫。我又老,人生傾已。再起絵心,回復描写,不忘執筆,雖探彩色,花鳥無影,徘徊漫歩知地動,写心中,冬眠非凍死。冬来世必回春,唯脅山人,得巡同軌?


      早 梅             千葉県 橋本新歌

  殘鈎瑟縮臥西天,破曉寒鴉泣斷垣。未覺春姑悄然至,微紅点点染枝尖。

      花 壇             千葉県 橋本新歌

  一方土壇傍矮垣,四季流香百花嫣。春看紅梅對翠柳,夏賞幽蘭伴牡丹。
  紫藤金菊中秋月,嫦娥應悔棄人間。莫道冬寒无芳朶,沐雪風流數水仙。

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      少年游・大題小作         東京都 石倉鮟鱇

  大題小作,龍頭蛇尾,人嘆筆空禿。怒罵詩魔,笑傾玉盞,緑酒盡金壺。
  歸山后、老學風韵,待兎守殘株。冩景殉情,飛聲延壽,愁客老茅廬。

  傾杯想大題,揮毫小作好詩稀。   題ばかり大きく書いて終わりです
  杯を傾け想う題あるも筆は小さく稀なる好詩

      触景傷情             東京都 石倉鮟鱇

  棲鳥關關樹頂鳴,詩人触景漫傷情。赤烏翕翼辭三界,銀兎轉輪臨四瀛。
  緑酒洗塵腸欲動,白頭執筆句難成。晩節如此肱堪枕,醉夢寒齋燈火明。

  触景傷情,獨聞樹頂晩鴉聲。    樹の上の晩鴉の声に傷む人
  景に触れ情を傷めて獨り聞く樹(き)の頂の晩鴉の聲

      赤口毒舌             東京都 石倉鮟鱇

  詩魔陪酒蕩花唇,赤口毒舌害老人。磨墨十年無好句,空呵短筆坐新春。

  詩魔玉唇害,赤口毒舌傷菲才。   詩魔は害す赤き口より毒の舌
  詩魔害す玉の唇赤き口毒の舌もて傷むる菲才

      賢妻飲水知源           東京都 石倉鮟鱇

  散人幸伴老妻賢,飲水知源斷酒錢。以后長生耽韻事,題詩三萬赴黄泉。

  人伴老妻賢,飲水知源斷酒錢。   水を飲み源知れり酒錢断つ
  老妻の賢きありて水を飲めば源を知り酒銭を断てり。

      伐毛洗髓             東京都 石倉鮟鱇

  散士革心割酒觴,茲喫瀉藥淨人腸。伐毛洗髓思清痩,顏似髑髏吟老鄕。

  伐毛洗髓春,髑髏清痩墓穴新。   毛を剃りて髄を洗える髑髏かな
  毛を剃りて髄を洗える春の髑髏 清らかに痩せ墓穴あたらし

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      察今知古             東京都 石倉鮟鱇

  察今知古人,染舊作新春。揮筆描梅處,鶯啼腦内頻。

  察今知古人哀,鶯啼腦内春来。  腦内に鶯啼いて頻りなり
  今を察て古を知る人は哀しき腦内に鶯啼いて春は来にけり

      多作少收             東京都 石倉鮟鱇

  多作律絶何少收?祭詩飲涙漫牽愁。山妻陪我無言坐,但勸喫茶笑貌柔。

  多作少收,祭詩飲涙漫牽愁。   祭る詩や作は多しと涙飲む
  作おほく収すくなしと祭る詩や涙を飲んでみだりに愁ふ

      積羽沈舟             東京都 石倉鮟鱇

  紙魚集語老高唐,積羽沈舟泉下航。破浪乘風到西土,把別塔上遣吟腸。

  紙魚集語秋,積羽沈舟泉下游。  羽を積み舟を沈める紙魚の行
  秋なれば紙魚は言葉を集めけり積羽沈舟 泉下に泳ぐ

      酒病色愁             東京都 石倉鮟鱇   

  老骨多閑嘆世情,嘘呵凍筆妄譏評:鳳雛酒病迷花貌,麟子色愁嘶泰平。

  鳳雛酒病,麟子花愁嘶泰平。   学に飽き花に愁ひて酒に病む
  鳳雛は酒に病みをり泰平や麟子は花に愁ひ嘶く

      酒入舌出             東京都 石倉鮟鱇

  寒冬草舎月明時,酒入舌出人賦詩:遙想巫山一神女,抱琴陪我勸金卮。

  酒入舌出,人賦慕情呼女巫。   酒が入り巫女呼ぶ舌が出でにけり
  酒が入り舌が出にけり人は賦す巫女を呼びつつ慕う情(こころ)を

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短詩

      曄歌・三 首           千葉県 高橋香雪

  一橋横。清溪淺水,共吟行。

  小橋辺。探梅詩客,写吟箋。

  朔気寒。駅頭茶館,別離難。

      曄歌・三 首           東京都 田村星舟

  有孤梅。階前白白,笑口開。

  兩悠悠。靜池中州,黑鳥遊。

  詩思新。輕寒二月,鶯作賓。

      俳句與曄歌            東京都 田村星舟

  雪原に零れ落ちさうむつら星
  雪原明。半夜晶晶,六連星。

      漢俳・二 首           埼玉県 塚越杉水

  枝頭聴鶯声,馥郁梅花南窗下。閑人話幽情。

  残寒懶出家,半日繙書猶不倦。鐘声夕陽斜。

      聯四副              埼玉県 塚越杉水

  四海太平猶足飽;千門豊歳未全貧。

  梅笑草生憐遅日;鶯遷池漲映早春。

  佳人幽趣除詩債;俗客閑談策酒功。

  師友氷魂交契密;弟兄雪魄笑談香。

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      楹 聯 五副           埼玉県 芋川冬扇

     “健康聯”三副

  小食整体;多読乱心。

  満腹想脂肪減;飢乏乞金片増。

  牛酒有無憂苦;身謀無有快活。

     “通勤聯”

  坐者仮眠密密;立人振動汲汲。

     “信心聯”

  吾迎君意;君奪我心。


     聯“風流韻事”           東京都 石倉鮟鱇

  春賞櫻雲舞雪人傾緑酒乘酣興暫競黄鶯清囀碧空戴太陽朱夏照山湖散樗埀釣飄浮搖吻高歌古曲;
  秋玩月鏡飛天筆走紅箋無快蹄未描翠黛巧陪白首多聲病玄冬坐草庵孤老抱壺深醉凌寒笑對詩魔。

      四七令・一 首          東京都 石倉鮟鱇

  花鳥堪聽,春晝風流俳句成。
  花鳥は聴くに堪えけり春昼や風流れなば俳句がならむ

      俳句・二 首           東京都 石倉鮟鱇

  飛鳥驚蛇泳奈河。      飛ぶ鳥に驚く蛇が川泳ぐ

  小題大作子規啼。      小題を大きく作り子規が啼く

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          親朋純情


詩詞

      過旧知             神奈川県 高橋子沖

  残雪看丘影,茶花麗寒風。一望村落変,寂寞想茫茫。 

      訪旧岩村藩           神奈川県 高橋子沖

  藩民尊碩学,才女擧高名。春色無人訪,逍遥鶯独啼。 
    (注)岩村藩:美濃小藩 碩学:佐藤一斎 才女:下田歌子

      小德出入            東京都 石倉鮟鱇

  詩叟三人坐酒家,高談藝術轉喧嘩。小德出入及枝葉,空費詞説益亂麻。

      才德兼備            東京都 石倉鮟鱇

  開敏豪商愛破財,財施僧侶請人才。才德兼備詩及酒,酒涌刀泉笑口開。

      知命樂天            東京都 石倉鮟鱇

  畫樓堪賞月浮江,風拂朱顏頭髪黄。老骨三人擅閑話:生涯一夢在高唐。
  詩龍知命揮詩筆,酒虎樂天傾酒觴。更有錢神請清客,再興韻事潤枯腸。

  知命樂天,老骨兩人爲酒癲。   命を知り天を楽しむ酒癲かな
  命を知り天を楽しむ老骨が二人でともに酒癲となれり

      冷語氷人            東京都 石倉鮟鱇

  冷語正氷人,惜別香雪春。交游歸昨夢,嘆氣送朱唇。

  冷語氷人,獨留紅雪春。     冷やかな言葉が人を氷らせる
  冷やかな言葉が人を氷らせてひとり留める紅雪の春

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             愛慕情絲


詩詞

      往訪老母            埼玉県 芋川冬扇

  往訪柴門緑柳垂,白屋積日塊独棲。難聴乱視傷心色,老母説吾愛護妻。


      眉目傳情            東京都 石倉鮟鱇

  妖狐柳蔭勸消愁,眉目傳情誘碧樓。白首揚揚喜追尾,春宵期望兩心投。

      宝刀未老            東京都 石倉鮟鱇

  飲酒鼾眠病客途,身發高熱煮氷壺。宝刀未老交毒婦,夢醒寒牀留汗珠。

      滿江紅・平成庚寅年正月散人拾遺逆鱗而填一首詞
                      東京都 石倉鮟鱇

  怒髪衝冠,龍王吐、逆鱗分裂。殘陽物,化爲仙女,玉肌如雪。搖蕩朱唇説漢語,嘲詼白首沽毒藥。酒功顯、雙聳乳房高,飛聲咽。
  醒香夢,堪耽悦,揮禿筆,描桃裂。憶花容妖蠱,癡情郁烈。欲問靈巫鶯谷隱,空留萱草游魂切。山將暮,赤羽照西江,紅如血。

      離情別緒            東京都 石倉鮟鱇

  花前月下有鰥夫,笑對詩魔誇雪膚。花貌無言似絶句,離情別緒滿江湖。

  攜手缺思慮,離情別緒留絶句。
  思慮を欠き手を携えるも離別あり情緒を留めて絶句ありけり


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        社会生活・時事風刺

詩詞

      高速鉄道網達広州。日本新幹線技術貢献多大。示祝意。
                      千葉県 今田莵庵

  高速列車通広州,中華南北往来遒。車窓風景如風去,座席団欒懐古悠。
  畿内寸望蘇軾願,茘枝急輸貴妃愁。扶桑技術支無極,同軌同文信頼窮。

      横綱朝青龍優勝直後引退。是起因暴行。
                      千葉県 今田莵庵

  冠軍力士奈驕矜,蒙古横綱慮不能。相撲尋問人格優,威強有位伴惶兢。


      時事偶感その一         神奈川県 萩原艸禾

  寒風叩翼鳥飛低, 白鶴膏肥呼助啼。危惧花冠代丹頂, 一朝降地雑村鶏。

      時事偶感その二         神奈川県 萩原艸禾

  綸旨不流浮霧軽, 食言難留信風行。勿嗟無哂尋常事, 領導相当民庶程。


      枝詞蔓語            東京都 石倉鮟鱇

  大都詩友對愚生,掩涙醉呶杯倍増:巨匠上仙脱鬱病,門徒追悼競離聲。
  枝詞繁冗稱新鬼,蔓語蕪雜尚古風。送葬秋郊到湖畔,低頭瞑目各思誠。

      才媛送老師           東京都 石倉鮟鱇

  掃眉才子有清姿,巧致哀辭送老師:闘病十年作天馬,空留花月上仙馳。

  掃眉才子,巧致哀辭送老師。  才媛や弔辞巧みに師を送る
  眉を掃く才子たくみに致すなり老師を送る哀しき辞(ことば)

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          寓意偶題


詩詞

      楽聖其一“巴赫”J.S.Bach    千葉県 今田莵庵

  確然主題起原形, 対位声音前後惺。作曲挺身為教会, 凝心張翼似蜻蛉。

      楽聖其二“維伐尓地”Vivaldi   千葉県 今田莵庵

  十人楽士密音程,弦楽相和醸景情。春夏秋冬移胸裡,曲中正聴渡枝鶯。


      題良寛和尚旧跡“五合庵”    千葉県 田 旭翠 

        其一

  独守寒窓世累忘,炉辺消息復何傷。等閑一実人知未?燈焔無盡辦道長。

   (注)道元禅師《永平広録》“贈茹秀才”詩曰“独坐縄牀口掛壁,
      等閑一実勝千虚。”

        其二

  運水擔薪説向誰,庵中独賦五言詩。敢論迷悟風塵跡,日有行持道未衰。

   (注)行持 佛教(禅)用語,意為持之以恒,堅持不断修行。

      題安田靭彦画伯筆《良寛》像   千葉県 田 旭翠

  晴陰闘草戯児童,村巷打毬誇自功。応画直心存不朽,至今無語作閑翁。

   (注)“闘草”良寛和尚自作詩曰“也与児童闘百草,闘去闘来転風流。”
     同詩曰“毬子”“袖裏繍毬直千金,自誇好手無等匹。固中意旨
     若相問,一二三四五六七。”

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by kanshiriun | 2012-11-18 13:57 | 2010年2月号
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